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NAPOLI WEDDING
ナポリウエディング物語・男の聖域

ナポリ結婚式はファミリー全員の大イベント

出張でナポリを訪れた4月はまさにウエディングシーズンの始まりです。花婿ファミリーの男性親族と付添人の親友達がお揃いのABITO DA SPOSOアビト・ダ・スポーゾ(フォーマルスーツ)を仕立てるのが習わしで、週末はご一行様で一杯でした。

花婿ファミリー揃ってテイラーを訪れ、男性陣は順番に採寸していきます。そこで一番採寸に積極的に参加してくるのは”MAMA母親”です。息子の採寸が気になってしかたありません。親族と言っても皆忙しいから個別にアポイントを取ってテイラーに行く、なんてナポリにはありえません。寂しがり屋のナポリ人花婿は一人でテイラーに行けるはずもなく(結婚する一人前の年齢になっても)トコトン”家族全ファミリー参加の大イベント”です。さっぱり親戚関係で育った浜っこの松川には”小市のお付合いが新鮮でした。

男の聖域

花婿と花嫁は、お互いの晴れ着姿を決して結婚式当日まで見せ合いません!花婿のウエディングスーツ仕立ては男性親族で、花嫁のドレス仕立てには女性親族で参加します。そんなドラマチック性から、当日”あまりの花嫁の美しさ”に言葉を失って”泣き出してしまう花婿”もいるとか・・・。

男のロマンが生まれる街ナポリ

かなり保守的なナポリ社会では、男の世界と女の世界がいまだに良い意味で聖域としてまもられていると私は解釈しました。そしていまだ聖域である男の世界から生まれるナポリスーツが男のロマンという日本式スペック重視モノづくりでは創造出来ないセクシーでノスタルジックなオーラを醸し出していると悟りました。

採寸で訪れた時はごく普通の若者だったが、仕上がったスーツをフィッティングした瞬間に男っぷりが急上昇して大変身した姿を見られるのが”花婿スーツの醍醐味”と仕立屋のモデリスタ(服スーツの設計士)は語ってくれました。

晩婚化が進む東京違い、多くのナポリ男子は20代で花嫁を獲得します。オーダースーツデビューを飾るのが”花婿スーツ”というケースが殆どです。その後もオーダースーツを仕立て続けるかどうかは仕事や価値観次第ですが、ともかく若くして貸衣装ではなく”自分のために仕立てられた最上質に出会えることは男としての宝です。

美意識と伝統の継承

ナポリでは結婚式披露宴に1000万円かけてお祝いする富裕層も多く健在です。東京の物価レベルに換算すると約2000万円程度のの予算。富裕層専門のブライダルプランナーの女性はひたすら新郎新婦らしく、美しく華やかに世界で一つの宴”の演出に心を砕いていました。貧富の差が激しい南イタリアで豪華なセレモニーは時代遅れの贅沢でしょうか?美意識と伝統が進化しながら継承されていく事も人間の本能であり歓びだと思います。

ナポリのお坊ちゃま花婿

生き馬の目を抜く勢いのナポリっこでも、お坊ちゃまはおっとりと上品で大声でジョークを飛ばしたりはしないのです。落ち着いた佇まいで優しく穏やかで日本人としても居心地良かったです。

ナポリのお坊ちゃまに相応しい伝統的でエレガントなスタイルを選んだ花婿がブライダルスーツの最終フィッティングに訪れました。ジレとジャケットのXエックスラインの見え方が美しいですね。ナポリのおぼちゃんお手製のフォーマルネクタイ、ポシェとジレを共布で。若い彼はパンツのローライズ気味、ウエストも今どきしっかりシェイプ。

ゼニア

正に、攻めのイタリア流アヴァンギャルドなエレガンスを体現する最強の1カット、Ermenegildo Zegnaゼニア社季節限定コレクション"ANTEPRIMA2012春夏”のチェリモニア(フォーマル)向け生地セクションより。最初見た時は度肝を抜かれた超ミニ&ピチピチジャケット。最上質の生地でオーダーならではのボディフィットだからこそ上品に決まっています。大人の遊び心とカッコつけへの心意気こそイタリア男の身上。

フォーマルの伝統

イタリアのウエディングパーティーは太陽を愛するイタリア人のテンションが最も高まる春夏に開催されます。季節の主役である太陽の光を反射していかに輝くか!?ウエディングスーツでは生地の光沢が勝負。女性の夏のコスメ選びに似ています、”紫外線を跳ね返して白く輝く!”

フォーマルは高貴な青い血

日本ではフォーマルは黒を着ますが、イタリアやヨーロッパでは高貴な色とされる深いブルーがフォーマルカラーです。イタリア語では貴族を"SANGUE BLUサングエ・ブル”、直訳で”青い血”と詩的に表現します。青という色がいかに重要か想像できます。